種類・特徴

美瑛で主に栽培される豆類の種類、品種などの特徴を紹介します。

アズキ

アズキは中国が原産と考えられているますが、アズキの祖先と考えられる野生種(祖先野生種のヤブツルアズキは日本からヒマラヤの照葉樹林帯に分布し、栽培種のアズキは極東のヤブツルアズキと同じ遺伝的特徴をもつ)が日本でも見つかっていることから、東部アジアの各地で独自に栽培が始まった可能性があるとされています。日本ではアズキは滋賀県の粟津湖底遺跡(紀元前4000年頃)や登呂遺跡(弥生時代、紀元1世紀頃)などから出土しており、古代より各地で栽培されていたと考えられています。

日本における栽培面積の6割以上、生産量の4分の3を北海道が占め、北海道のほか丹波・備中が、日本の三大産地です。低温に弱く、霜害を受けやすいため、霜の降りなくなった時期に播種されます。

美瑛でのH28年度の小豆の作付は「しゅまり」が??%となっており、その他「エリモショウズ」、「キタノオトメ」、「サホロショウズ」、「きたろまん」など多様な品種を栽培しています。

美瑛の特産になっている「しゅまり」の特徴や他品種との違いについては、しゅまりのページで詳しく紹介していますのでご覧ください。

インゲンマメ

インゲンマメ(隠元豆)はマメ亜科の一年草で、別名、サイトウ(菜豆)、サンドマメ(三度豆)、センゴクマメ(千石豆)、フジマメ(藤豆)とも呼ばれます。いんげんまめは、諸外国では最も日常的に食べられている豆の一つで、その種類は多様です。原産地は中南米ですが、我が国への渡来は17世紀の中頃、中国から隠元禅師によってもたらされ、禅師の名に因んで「隠元豆」とよばれるようになったと伝えられています。

いんげんまめは種皮の色が多様で、単色白色系に「手亡(てぼう)」、「白金時豆」、「大福豆(おおふくまめ)」などがあり、単色着色系では「金時豆」が有名です。着色系にはさらに、斑紋が種皮全体に及ぶ普斑種(ふはんしゅ)と、一部分にとどまる偏斑種(へんはんしゅ)とに分かれ、普斑種には「うずらまめ」、偏斑種には「虎豆」があります。

現在、北海道がいんげんまめの主産地で、国内生産の大部分を占めています。美瑛では「絹手亡」、「雪手亡」、「??金時」、「???」などを主に栽培しています。

ダイズ

原産地については諸説ありますが、中国東北部からシベリアとの説が有力で、日本にも自生しているツルマメが原種と考えられています。栽培の歴史も諸説ありますが、約4,000年前に中国でツルマメの栽培が始められ、ダイズとして作物化されたと考えられていて、日本には朝鮮半島を経由して、縄文時代後期中頃に伝来したと考えられています。現在世界の大豆生産量では、1位アメリカ、2位ブラジル、3位アルゼンチン…と続きますが、ヨーロッパやアメリカに伝わったのは意外にも新しく、ヨーロッパには18世紀、アメリカには19世紀になってからのことです。

大豆は、現在、沖縄を除き全国的に栽培され、北海道、東北、関東、北陸、九州地方が主な産地です。一般的なものは種皮が黄白色~黄色の「黄大豆」で、他に淡黄緑色~濃緑色の「青大豆」や黒色で一般に「黒豆」と呼ばれる「黒大豆」などがあります。

美瑛では「黄大豆」の生産も多いのですが、「いわいくろ」という品種の黒大豆の栽培も盛んです。「いわいくろ」は極大粒豊満で外観品質が良く、蒸煮時の皮浮き、煮崩れ等は少なく煮豆加工適性も優れています。ただし短所として裂皮の発生がやや多い品種で、道内でも地域によっては品質を保てなく作付けのできない所もあります。美瑛では内陸独特の気候や土壌性質などの条件により裂皮の発生は少な目です。また農協施設において手間をかけ選別しているため製品の品質は安定しています。

エンドウ

えんどうの原産地は中央アジアから中近東地域とされており、ここから東西へ伝播していきました。古代エジプトのツタンカーメン王の墓からも発掘されたように、栽培の歴史は古く、古代ギリシャやローマ時代にはすでに栽培されていました。日本への渡来時期ははっきりしていませんが、8世紀頃に、中国から穀物として伝えられたようです。漢字表記「豌豆」の由来については諸説ありますが、中国の本草書「本草綱目」では、えんどうの苗が柔弱で宛宛としていることから付けられたとされています。

えんどうの利用法は非常に多様で、完熟種子を乾燥豆として使う以外に、未熟の莢を食べる「さやえんどう」、完熟前の軟らかい豆を莢からむいて食べる「グリーンピース」、グリーンピース大まで育った未熟の豆を莢ごと食べる「スナップエンドウ」、さらに新芽を摘んで食べる「豆苗(とうみょう)」があります。乾燥豆として使用される子実用えんどうは、北海道の上川地方を中心にわずか数百haの栽培となっています。

美瑛は子実用えんどうの栽培が盛んで、上川地方の中で最も「赤えんどう」の生産量が多くなっています。栽培においては収穫時期の天気が非常に重要で、収穫期近くの長雨により子実が発芽してしまったり、品質が悪くなるなど、収量が激減する年もあります。赤えんどうは、古くから蜜豆(みつまめ)や豆大福(まめだいふく)に使われ、和菓子の落雁(らくがん)用としても重要です。

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