豆の栄養性・健康

豆類は栄養学的に「デンプン質の豆類」(小豆、いんげん豆、えんどうなど炭水化物を50%以上含むのが特徴、たんぱく質も多く含む)と、「高脂質の豆類」(大豆、落花生など高たんぱく質・高脂質が特徴)の2タイプに分かれ、同じ豆でも栄養分に大きな違いがあります。またどの豆にも共通する長所は食物繊維が豊富なこと、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6が多いことや、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラル類が多いのも特徴です。

炭水化物は身体を動かし、体温を維持するためのエネルギー源になり、たんぱく質は体内でアミノ酸に分解され、筋肉、内臓、皮膚、血液など身体をつくります。また食物繊維が多いので腸内環境の改善や、加えてビタミンB群が多く含まれていることで美容やダイエットにも効果的ともいわれています。

小豆

小豆は栄養素の全成分組成の半分以上を炭水化物が占めており、次に多いのが約22%含まれるたんぱく質です。食物から摂ったタンパク質は消化の過程でアミノ酸にまで分解されます。アミノ酸は人を健康に保つ上で大切で、バランスよく摂取することも大変重要です。小豆には必須アミノ酸と言われる9種類(トリプトファン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジン)が含まれ、いずれもほぼ基準値に近いか基準値を超えています。

小豆には多様なミネラルも豊富に含まれ、特に酸素を体中に運ぶのに必要な鉄や、塩分(ナトリウム)の排出になくてはならないカリウムがたくさん入っています。ビタミン群では、ビタミンB1、B2、B6が豊富に含まれています。ビタミンB1が不足すると炭水化物のエネルギー代謝が悪くなり、体内に乳酸などの疲労物質がたまり疲れやすくなったり、手足のしびれ、動悸、むくみなどの症状を招きます。ビタミンB2、B6はたんぱく質の分解を助け、体の細胞、皮膚や爪、髪などの再生を助けてくれます。このような働きによって肌も美しく保たれ、美容に必須のビタミンとも言われています。

豆類全般にいえることですが、食物繊維も多く含まれることも注目です。小豆100g当たり17.8gも含まれており、日本人の主食である精白米の約36倍、食物繊維の代名詞のように挙げられるごぼうの約3倍も入っています。便秘の解消⇒食物繊維の摂取⇒ごぼう等、と言われることもありますが、ぜひ小豆も積極的に食べていただきたいと思います。また豆類に含まれる食物繊維の多くは不溶性食物繊維で、発がん物質を体内から除去するデトックス効果もあります。

小豆には最強の抗酸化物質であるポリフェノールが豊富で、強力な抗酸化作用で活性酸素を除去します。高い抗酸化活性を持つ主なポリフェノール成分、カテキングリコシド、カテキン、ルチン等が多く含まれ、、その抗酸化作用は中国産より北海道産の方が高いです。近年ポリフェノールといえば赤ワインを連想することが多いと思いますが、小豆には赤ワインを凌ぐ約1.5倍の量のポリフェノールが含まれています。ポリフェノールに属する物質は、いずれも強い抗酸化作用を持っているため、健康に様々な悪影響を及ぼす活性酸素を除去し、動脈硬化や心臓病の予防、免疫力の増強、抗アレルギー作用、血管の保護、発がん物質の活性化抑制等の効果があると言われています。また、これらの他にも、各物質固有の様々な作用があることが分かってきています。

ダイズ

インゲンマメ

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